セールで新作を見ている優越感
一年に二回のお楽しみといえば、セールですよね。
以前販売をしていた私にとって、セール時期は大変な思い出だらけですが、お客様としてはやはりお得に買い物できるセールというのはとても魅力があるものだと思います。
私は混んでいる中行くのは苦手なので、少し落ち着いた頃によくセールを見に行きます。
その頃になると目玉商品はなくなり、セール対象外の新作が出ていたりします。
私はどうもその新作のほうばかり見てしまうクセがあります。
新作なんてまったく割引されていないし、もっと時期がたてばそのシーズンのものがたくさん出てくるとわかっていますが、どうしてもセール対象外の方が魅力的に見えてしまうのです。
そしてこの話を同業の販売員たちにすると、みんな、その気持ちわかると同意してくれます。
そしてセール対象外を見てしまう自分ってなんだかかっこいいよね、と自分に酔ってしまうということを言っていました。
割引商品には興味がないです、新しいものを先取りしているんですとも言わんばかりに新作を見てしまうと言っていました。
私もまさにそのタイプです。
絶対に割引されているものを買った方が得です。
その中から掘り出し物を見つける能力があれば、私もわざわざ新作を手に取ることはないと思います。
でもセールの中で少し日がたち疲れている割引商品と違い、新作のためラックにきれいに並んでいる商品を見ると、それだけで魅力的に見えてしまうのです。
実はこれ、アパレル会社の戦略です。
私みたいな人がいるのでセール中でも新作は売れるのです。
わかっているのにはまってしまう、販売員たちは自分たちで自分たちの業界を潤していっているのです。
アパレルの仕事
女友達の大半がアパレルの仕事に就いている。
高校卒業してからなので、もうすぐ10年のキャリアだ。
子どもの頃から就職氷河期だと言われていて、高校卒業するときにも氷河期が続いたままだった。
そのため、就職口が非常に少ない中、アパレルに就いた人が多いという現状だ。
一つの店舗の中に、派遣や契約、アルバイトなど様々な形態で働く同僚がいるらしく、アパレル会社採用で店舗にいるのか、テナントが入る百貨店やファッションビル採用で店舗にいるのか、そういった点を含めてみても、給与が違ってくるらしい。
だから同じ店舗の同僚とはいえ、うかつに給与の話ができないそうだ。
洋服を売るという仕事だが、店舗のディスプレイなどの店作りは消費者が心地良い空間にしないといけないし、若者の財布の口が硬い今では接客もまた難しい。
毎日店頭に立つことは意外と大変なことだ。
自分が買い物に行くとき、販売員の方に親切に接しているかと聞かれれば疑問だ。
友達の話しを聞いていると、冷たくあしらわずにお話しようと、そう思えてくる。