洗濯槽の汚れについて

先日、祖母が洗濯槽汚れとりの洗剤を買ってきた。
洗濯するたびに、シャツに色んなゴミがつくらしい。
洗うほどに汚れがつくなんて、そんな洗濯機、確かに嫌だ。
祖母は買ってきた洗剤を私に手渡しながら、字が小さくて読めないから、使用方法を読めとの仰せであった。

その小さい字によると、洗濯槽口いっぱいまでに水を入れて、その洗剤一本を流し込む、ということだったが、どうも祖母は一本丸々を一回で使い切ってしまうのがもったいないらしく、「半分取っておいてもいいね」とぶつぶつ言っていた。
一本丸々入れなきゃ効果がないから、と母に注意されていたが、私はきっと半分取っておくだろうと思っている。

そんな、洗剤を買ってきた祖母には申し訳ないことだが、洗濯槽というのは、思っているほど汚れていないらしい。
もちろん雑菌とかのミクロの世界の話をしたら、この世にきれいなものなんてないと言い切れるが、ゴミ程度の話であれば、結構洗濯槽はきれいらしい。
と、父が言っていた。

変なところにこだわる父は、壊れて使えなくなった洗濯機を一度ばらして、洗濯槽がどのくらい汚くなっているものなのかを確認してみたらしい。
テレビCMのようにぎっちりと汚れのつまったのを期待していたらしいが、案外きれいでがっかりしたらしい。
そんな父の話を聞いて、洗濯槽が予想外に汚れていないという事実なんかよりもよっぽど、壊れた洗濯機をばらしてまで中の具合を確認したという父の好奇心のほうに驚愕した。
そこまで行動的な父を見たことが余りなかったので、意外にも気になったらとことん探るタイプなんだな、と改めて発見した。

とりあえず、祖母の洗濯機はゴミがつかなくなるといいな、と思っている。
少なくとも、洗濯槽の雑菌は、多少なりとも滅菌されることは間違いない。

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