スノボ

18歳の冬のこと。
個人経営の居酒屋主催でスノーボードツアーが組まれた。
私は知り合いづてに募集のことを聞いて、友達二人と参加することにした。

これまではスキーバスを運営する小さな旅行会社やバス会社のツアーに参加していたが、個人でバスを借りている集まりは初めてだった。
夜22時に居酒屋に集合した。
参加するのは居酒屋の店員やその友達。
店じまい作業をしている店員さんもすでにジャージに着替えていて、待合室として解放されていた座敷には大量の板や靴が置かれていた。
ほどなくしてバスが到着して乗り込んだ。
スキーバスとは違い、顔見知りばかりなので和気あいあい。
私たちだけがはじめましての状態だったが、缶ビールが配られてみんなで乾杯して楽しかった。
スノボ初心者のグループと上級者に別れて滑ることになり、私は3回目にも関わらず久しぶりなので初心者チームに入れてもらった。
バス内で色々とスノボに関する説明が行われていて、夜中の2時くらいになったので、消灯時間となった。
広島県のゲレンデに到着したのが朝6時。
ここから一日すべって、夕方16時にまたバスに集合することになった。
消灯中に、隣にいた友達がなにやら前の座席の人と喋っていたようだが、私は夢の中だった。
友達が話していた人は4つ年上のアパレル店員で、良く見たらめちゃくちゃイケメン2人。
「明日疲れるから寝とかなきゃきついよ?」という私の忠告も聞かずにおしゃべりしていると思ったら、こういうことだったのだ。
残念ながら午前中は私たちは初心者コース。
午後からはイケメングループと合流するために、絶対午前中で上手くなろう!と私たちだけやけに気合いが入っていて、初心者講座が始まって30分くらいで一般コースに合流していいよ、と言われた。
人をやる気にさせるパワーがあるイケメンってすごい。

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